Art東京国立近代美術館
Craft&Design東京国立近代美術館工芸館
MOMAT TOP
ごあいさつ
フィルムセンター開館40周年を迎えて

東京国立近代美術館長
加茂川 幸夫

Sachio Kamogawa
Director
The National Museum of Modern Art, Tokyo

 フィルムセンターは今年、開館から40年目を迎えます。1970年5月27日の開館以来、あるいはフィルムセンターの前身であるフィルム・ライブラリー部門が国立近代美術館(1952年開館、現・東京国立近代美術館)に設置されて以来現在まで、皆様方からお寄せいただきました心温まる御支援、ご協力に、改めて感謝を申し上げます。
 おかげさまで、フィルムセンターはこの40年の間に、相模原市に映画フィルム専用の保存施設を竣工し(1986年)、大小のホールと展示室、図書室を兼ね備えた京橋の本部ビルを新装開館(1995年)しつつ、収集保存事業と公開事業の両部門でその内容と規模を大幅に拡充してきました。更に、収集保存事業の進展に伴い、今年から保存施設の拡充整備も進められています。
 本センターのコレクションについては、長篇劇映画はもちろん文化・記録映画やニュース映画、教育映画、PR映画さらには企業外映画に至るまで、日本映画の全域をカバーすべく収集対象を拡大するとともに、失われたと思われた数々の「幻の映画」を国内外で発掘、復元してきました。
 国立の映画保存研究機関にふさわしい我が国の「映画の殿堂」として、また1993年以降は国際フィルム・アーカイブ連盟(FIAF)の正会員として、フィルムセンターはいまなお発展し続けています。昨年は、フィルムセンターが所蔵する現存最古の日本映画『紅葉狩』(1899年)のデュープ・ネガが映画フィルムとしては初めて重要文化財に指定され、我が国における映画保存運動への大きな弾みとなりました。
 フランスでリュミエール兄弟のシネマトグラフが公開されたのは今から115年前の1895年のことでしたが、日本はいち早くこれを受け入れ、独自の映像文化を開花させた国の一つであり、また芸術的にも優れた多くの名作を生み出してきた「映画大国」の一つであることは、ここであらためて繰り返すまでもありません。
 「映像の世紀」と呼ばれた20世紀を経て、新たな技術革新で映像が劇的な変化を遂げようとしている21世紀を迎えた今日、フィルム・アーカイブが担うべき役割と責任は、従来にもましてますます重大なものとなりつつあります。
 文化遺産、歴史資料としての映画を十全に保存し、公開しながら、適切に後世に伝えていくために、フィルムセンターは今後も地道な努力を重ねてまいります。映画関係者や映画ファン、研究者の皆様、関連機関、関連団体の皆様からの一層の御支援を賜れれば幸いに存じます。

 平成22年3月

Calendar 上映・展示カレンダー
上映・展示カレンダー
The National Museum of Modern Art, Tokyo